03-01.本当の財源は供給能力

供給能力とは、何らかのモノ・サービスを提供するのに必要な労働力、原料、技術、設備、インフラ(道路とか連絡手段とか)のことを指します。

供給能力が大切であり、国家レベルでは事実上の財源であること例え話で説明します。

 

  • 無人島での例え話

非常事態になればなるほど需要と供給の潤滑剤に過ぎないおカネは、本来の「ただの紙」に変わり、本当に大切なものが必要となります。

もし、A君とB君が乗った豪華客船が遭難し、乗客だったA君とB君は遭難して無人島に流れついたとします。A君とB君は知り合いでもなく、同じ国から来ている訳でもありません。遠く流されたので早期の救助は望めないと2人は考えています。

 

そんなとき、A君(日本から来ているひと)はB君にどうやって協力を頼みますか?

お願い(1) お金(日本円)を支払うから、〇×▼を手伝って欲しい。

お願い(2) 力仕事をするから、〇×▼を手伝って欲しい。

 

 

この場合の正解は(2)となりますよね?

A君はB君に力仕事という供給能力を掲示することでB君の協力を得ようとします。

帰るあてもないし、帰ったとしても日本から来ている訳ではない相手には、使い道のないおカネ、日本円を渡して協力を得ようとしても無駄というものです。

 

 

  • 国内での取引の場合

おカネ(自国通貨)を取引の際に使用しますが、実際の主役は供給能力です。

実際には供給能力に対する対価として同価値の供給能力を提供出来ないために代わりにおカネを使用しているだけです。

長期のデフレ下でおカネを中心に物事考えがちだとは思いますが(苦笑)

もう一度、考えてみて下さい。
実際の主役は供給能力、つまり、主役はこの国で働く人々、技術、設備、資源の方です。

 

  • 国同士の取引の場合

日本円でやり取りしない国同士の取引でも「供給能力」は非常に重要となってきます。

供給能力が低い国は、外国に頼らざるを得なくなり経常収支は赤字となります。
すると自国通貨安となり、輸入品は値上がりしていきます。
また外貨調達のために外貨建て国債を発行せざるを得なくなります。通貨暴落、高インフレ、財政破綻も起こるようになります。

 

●今、自国通貨建て国債を発行し変動相場制であっても経済危機が起こるシナリオ

①国内の需要を国内の「供給能力」で賄えない状況になる。(大前提)

②輸入で補うしかなくなり貿易赤字となる

③貿易赤字拡大が金融取引も含めた経常収支赤字にまで発展する
*元々、海外に資産を持たない国はすぐに貿易赤字⇒経常収支赤字へと発展する

④自国通貨の為替レートに下落圧力がかかる

⑤輸入物価急騰を防ぐため、政府に対ドル固定為替相場制を採用させる:固定相場制
*固定相場制を採用しなくてもいいが、その場合にも供給能力不足状態では継続的な自国通貨安、輸入物価高騰による高インフレが発生、ただし変動相場制維持の方が輸出には有利になり、供給能力を改善させやすい。

⑥政府は対外赤字が拡大する中、固定相場を維持するため、外貨準備を取り崩し、「ドル(基軸通貨)で自国通貨を買う」為替防衛を続ける

⑦外貨準備が尽きそうになったら、外貨建て国債を発行し、為替レート維持のための外貨を手に入れる:外貨建て国債

⑧大前提である状況①を解決出来ないと、遅かれ早かれ、通貨暴落、輸入物価高騰による高インフレ、外貨建て国債による財政破綻のいずれかが発生する。

自国で供給できる分しか、国民は本来 需要出来ないもの

よって、国内の需要を賄える供給能力を持つことは必要不可欠。

「供給能力こそが本当の財源」

 

日本は国内の供給能力が他の国と比較し、ずば抜けて高いです。

だから自国通貨建てで国債を発行し、変動相場制であっても円の価値が低下し続けるということはありません。

国内の供給能力の高さは、毎年の経常収支黒字及び対外純資産という結果として表されています。

海外からの収入(2019年の経常収支黒字額):20.05兆円

これまでに海外からの得た資産(2019年末の日本の対外純資産):364兆5250億円

 

(おまけ)

一方、海外に貸しを作り続ける今の状況に何も問題ないかというとそうではありません。

現在の日本は長期に渡った貿易黒字を国内へと還流するのではなく、海外へと再投資することによって利子・配当等の収益を上げられるような国となっています。

「モノづくり日本」から「金貸しの国 日本」への変容です。

引用元:内閣府資料

  • 第一次所得収支:対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。

 

恨まれる側にとっては筋違いと思うかもしれませんが、金貸しで儲ける国は、金貸しが恨まれるのと同じように他国から恨みを買います。

米国による欠陥が疑われる武器や遺伝子組み換え作物の、日本への買い取り圧力も貸しの解消の延長線上で行われます。日本には自国の供給能力に見合った国内需要を作り出す国際的な義務があります。要するに供給能力に見合った財政拡大をしなさいということ。義務を果たさなければ、場合によってはゴミを買わされる羽目に陥ります。

 

お勧め素材

1.供給能力について

(1)真の社会保障問題と解決策とは?[三橋TV第88回]三橋貴明・高家望愛

(2)-①外為市場・国債市場から政府をコントロールする「奴ら」[三橋TV第157回]三橋貴明・高家望愛

(2)-②ロシアのデフォルトから学ぶ国際金融資本のやり口[三橋TV第158回]三橋貴明・高家望愛

(3)-①実体経済と金融経済 なぜ日経平均は下がらないのか?[三橋TV第250回]三橋貴明・高家望愛

(3)-②笑えない真実 財政破綻論者の主張が日本を財政破綻させる[三橋TV251回]三橋貴明・高家望愛 

2.どの位、政府支出出来るのか?

(1)【財源の話】れいわ新選組代表 山本太郎(字幕入りDVD 2019年国会質問&スピーチ集より) 40分頃~(消費税とインフレ率)

(2)【みんなに毎月10万円を配り続けたら国は破綻するか?】#特別定額給付金 #新型コロナウイルス #現金給付【れいわ新選組代表 山本太郎】

06.供給能力を押し上げるにはどうするのか

(1)デフレのときは需要を押し上げる政策をとる

需要が低迷しているデフレ(・低インフレ期)は

本当の財源である供給能力は使わないと減っていくので、供給能力を余らせず活用していくことが重要となってきます。

家計も企業も借金してまで支出する余裕がない状態では、最後の買い手である政府が国債発行でお金を創り(money creation)国内へ支出し、供給能力維持の後押しをする必要があります。

 

2年間で600兆円近く追加で政府支出して、ようやくデフレ脱却目標のインフレ率2%を超えるという参議院・調査情報担当室の調査結果も出ています。本当の財源である供給能力を今後とも維持したかったら、2年間で600兆円近くの政府支出を実施する“必要がある”ということを言っています。

 

この驚くべき調査結果は国内の人々・企業の潜在的な力も示していますし、お金が稼げると分かったら自発的に供給能力に投資し、インフレ率は予想以上に高まらないということも示していると考えます。

現在の各党のコロナ対策の政府支出の追加要求額は多く要求しているれいわ新選組でも200兆円、国民民主党で100兆円と調査結果の600兆円と比べると控えめな金額です。

自民党・公明党の現政権の実際のコロナ対策の政府支出:「真水」部分は60~70兆円(2020年度第一次・第二次補正予算合計)に留まり、世界に誇るべき日本の財源を今後とも守り抜いていこうという意志が“ほんのお気持ち程度”しかないと判断せざるを得ません。

 

①需要落とす消費税はまず廃止の方向へ

消費税は需要の6割を占める消費にかかる“罰金”であり、需要押し上げをするには消費税はなくす方向で考えていくことが必要となります。

消費税廃止のための政府支出はたったの30兆円程度であり、全く問題ない上に本当の財源維持のため使わなくてはならない支出額となります。

 

②生活に余裕のない世帯への直接支援

子育て世帯のような生活に余裕のない世帯は、万一のための貯蓄をすることもほとんど出来ない状態にあります。

生活に余裕のない世帯を救うことは弱者救済という面だけでなく、重要な需要引き上げ効果があります。

政府支出をし民間にお金を流しても消費せずにすぐに貯金されたら、需要引き上げは薄れます。一方で、元から生活に余裕のない世帯への直接支援策は消費行動へと向かいやすく、周りのひと・企業も恩恵を受けることが出来、需要引き上げが期待出来ます。

 

③社会保障を充実させ安心感の持てる社会に

将来不安の大部分の源は“自分や家族が経済的に貧しくなればもう助からない・・”ということから来ています。政府も2019年には年金2000万円問題を取り上げ、貯蓄(金融投資)を推進しています。

「国の借金」の存在を声高に叫んでおきながら、民間貯蓄増による「国の借金」増を肯定する矛盾した構図となっています。

このような物事をよく把握出来ないでその場しのぎで対処するやり方では何も解決はしません。

貯蓄を減らし消費にお金を回して欲しかったら、国内にまん延する将来不安を取り除いてあげることが肝心となります。

将来不安を解消するには自己責任で全て完結するのではなく、精一杯頑張った後は国が面倒を見る、セーフティネット、社会保障の充実が必要となってきます。

更に社会保障の充実は関連する医療・介護・福祉事業の供給能力の底上げにも繋がります。

 

 

(2) インフレ気味になってきたら、供給能力に投資

需要が旺盛となった後のインフレ期は

供給能力を引き上げていく必要が出てきます。

 

①国際的な価格競争力が弱いが供給能力として重要な産業優先で

ひとが暮らしていくには不可欠な産業に関わる供給能力の確保を優先します。

例を挙げると、食料、医療、電気水道ガスのようなライフラインです。

生きていくのに不可欠な供給能力はどのような状況になっても安定した需要があり、需要に対応する供給能力を必要とするためです。

そのような供給能力を輸出頼みにすることは将来的な貿易赤字、更に発展して財政破綻、通貨暴落、ハイパーインフレとなる可能性をあげます。

過去多くの国々が国際的な供給能力を早期につけるのに「選択と集中」をし、原油、観光、プランテーション農業といった単一産業に特化した供給体制を選択し失敗してきました。

国として出来るだけ国内で自給自足出来る体制を整える、その後に供給能力の余剰分を他国に輸出するのが正しい在り方であり、供給能力引き上げの際優先して取り組む必要があります。

 

②将来への安心感と競争心の適度なバランスとなるように

需要低迷するデフレ期に足りないものが「将来への安心感」ですが、需要旺盛となるインフレ期に足りなくなるのが「競争心」です。

頑張っても頑張らなくても変わらないのであれば、頑張らなくなる方に進むのが大部分のひとの常であり、それは国内の停滞、供給能力にも悪影響を及ぼしていきます。供給能力への悪影響が進むと、特に1970年代の英国で見られた年平均10%以上の高インフレ状態にも陥ります。

頑張らなくても健康で文化的な生活を保障した上で、頑張るひとにはもっといい生活が出来るように制度設計をする、、、(更に言うと持てるものが持たざるものを奴隷のような状態にしないようにもする絶妙のバランスが求められます)

このような将来への安心感と競争心のバランスをとる取り組みは現代史において、古典的自由主義→共産主義(西側陣営はケインズ学派)→新自由主義(今)と両極に行き過ぎた状態を取りつつ模索が続けられています。今は困難に見える道ですが、過去の失敗から自己管理の仕方を学び、技術の進歩によりこれまで技術的に出来なかったことが出来るようにし、次の時代は更に心地よいバランスとなるよう目指していけたらと思います。

 

③自然原料を持続的に得られるよう環境問題にも気を配る

これまでの供給能力引き上げには、自然環境というものは軽視されてきました。しかし、今後は自然環境というものは、大切な供給能力の一つである自然原料を産み出すかけがえのないものという経済的な観点も持つ必要があります。

今後の供給能力引き上げにおいては、持続的に自然原料を得られるように、自然保護の分野にも技術開発を進めていき地球との調和を図る必要があります。

 

(3) 税金によって一部にお金が集まりバブルになるのも防止

最後に、以上の政策で政府支出をしていく際、一部だけお金が儲かりやすい産業が必ず出てきます。

インフレ期には欠如しがちとなる「競争心」をなくさない程度の所得税等の累進性の強化は基本となります。

更に、儲かり過ぎの産業は投機化し、実体のある供給能力とは関係のない世界でお金のやり取りがなされます。投機は最終的には崩壊し実際の世界の需要の落ち込みという形で多大なる悪影響を及ぼしますので、投機化しないうちに罰金(税金)付きの規制をかけ早期に芽を摘んでおく必要があります。

需要過多になるインフレ期には、例えば消費税のような直接需要を落とす税制も有効ではあります。しかし、需要を落とす際に一番犠牲になるのは生活の余裕なく全て消費に回さざるを得ない子育て世帯、低収入世帯であり、人道上の観点から出来るだけ避けておきたい政策です。

例えばAIのような技術の進歩での供給体制の一層の強化や現代貨幣理論(MMT)のような学問の周知によってインフレ期に需要を落とす税制を今後は使わずに出来るのであれば、なおよしと考えます。

 

まとめ

デフレのときは需要を押し上げる政策をとる

インフレ気味になってきたら、供給能力に投資

税金によって一部にお金が集まりバブルになるのも防止

 

財源チラシの補足説明は以上です。お読み頂きありがとうございました。

更に理解を深める為に お勧めリンク集も用意してありますので宜しければご活用下さい。

05.どうすれば財政破綻がおこるのか

現在、日本は海外に資産を保有し、毎年、海外から収入が得られるお金持ち国家となっています。しかし、このまま国内の供給能力の破壊を続けていくと長期的には他の後進国と同様に自国の需要を国内の供給能力で賄えなくなり、財政破綻、通貨暴落、ハイパーインフレも起こることとなります。

 

日本が自国の需要を国内の供給能力で賄いきれなくなる考えられる可能性の例

例①

需要落ち込みが続く中、選択と集中を強化し、価格競争力の強い特定産業(例.自動車)に特化した供給体制に変化。国際情勢の変化や技術革新により、特定産業が廃れ、輸出で稼げなくなり、輸出に頼った供給体制崩壊。

原油収入に頼ったロシア、観光収入に頼ったギリシャやトルコ、特定の作物を栽培するプランテーション農業に頼った国々が例として挙げられます。

 

例②

戦争・国家崩壊レベルの大災害によって国土が大幅な破壊を受けた後の復興期。

場合によっては多額の追加費用(賠償金)も必要となることもあります。

戦後まもなくの日本や第一次大戦後のドイツ。戦争・大災害中は需要も消失するので復興期の方が顕著となります。大災害は一部ではなく国土全体で壊滅的な規模で起こる必要もあります。

 

例③ 

国際的な緊張の高まりのなかで、日本人の持つ海外資産が没収。これまで積み重ねてきたお金持ち国家の地位から強制的に退場させられた場合。

現状、金融所得も含めた経常収支は大幅な黒字ですが、貿易収支は赤字になるときも増えてきており、国際的な事情も変わると危機は早くに訪れることとなります。

 

 

供給能力が破壊された後の破綻のプロセス

①自国の需要を国内の「供給能力」で賄えない状況になる。(大前提)

②輸入で補うしかなくなり貿易赤字となる

③貿易赤字拡大が金融取引も含めた経常収支赤字にまで発展する。

④日本円の為替レートに下落圧力がかかる

⑤輸入物価急騰を防ぐため、政府に対ドル固定為替相場制を採用させる:固定相場制
*固定相場制を採用しなくてもいいが、その場合は継続的な自国通貨安、輸入物価高騰による高インフレが発生、ただし変動相場制維持の方が輸出には有利になり、供給能力を改善させやすい。

⑥政府は対外赤字が拡大する中、固定相場を維持するため、外貨準備を取り崩し、「ドル(基軸通貨)で日本円を買う」為替防衛を続ける

⑦ドル準備が尽きそうになったら、外貨建て国債を発行し、為替レート維持のための外貨を手に入れる:外貨建て国債

⑧大前提である状況①を解決出来ないと、長期的には、通貨暴落、輸入物価高騰による高インフレ(ハイパーインフレにも発展?)、外貨建て国債による財政破綻のいずれかが発生する。

 

作成参考

ロシアのデフォルトから学ぶ国際金融資本のやり口[三橋TV第158回]三橋貴明・高家望愛(動画)

笑えない真実 財政破綻論者の主張が日本を財政破綻させる[三橋TV251回]三橋貴明・高家望愛 (動画)

レバノンから分かる「日本を財政破綻に追い込む道」(記事)

 

以上の通り、需要低迷をほっておいたり更に増税・歳出削減で需要下げると

本来持っていた「供給能力」・・・本当の意味での財源を破壊し、将来へ多大なツケを残すこととなります。

 

次の話題 供給能力を押し上げるにはどうするのか?

04.使わない技術は廃れる

需要が落ち込むデフレ期には、商売が上手くいかなくなり将来不安もまん延します。余裕のあるものはお金を貯めようとします。すると、ますますモノが売れなくなり、倒産が増え、供給能力はどんどん破壊されていきます。

 

将来不安を抱え民間の貯蓄が増えると、政府の負債は拡大します。

このとき、政府の負債が増えることを抑える為に歳出削減や増税を行うと、需要は更に落ち込み、生きていく上で必要な供給能力の破壊も加速します。

 

例(1) 医療の供給能力の破壊

 

例(2) 先端技術の供給能力の破壊

 

更に、供給能力の破壊は全産業一律で起こる訳ではなく、国際的な価格競争力の低い産業から先に破壊されていきます。

 

例(3) 食料の供給能力の破壊

 

まとめ

●需要低迷しているデフレ期は需要減少に伴い、供給能力も徐々に破壊されていく

●増税・歳出削減によって、更に供給能力の破壊は加速

●供給能力の破壊は全産業一律で起こる訳ではなく、国際的な価格競争力が弱いために輸入品に圧迫され国内の供給能力が破壊され、いざというときには不足状態の産業もある

 

 

次の話題 では、どうすれば財政破綻がおこるのか?

 

03-02.供給能力について

本章では、改めて供給能力について説明します。

 

・供給能力という表現について

供給能力とは、何らかのモノ・サービスを提供するのに必要な労働力、原料、技術、設備、インフラ(道路とか連絡手段とか)のことです。

一連の説明では全て供給能力で統一しています。しかし実際は、潜在GDP、実物生産キャパシティ、資源、生産力、外貨調達能力、供給リソース、商品生産能力等様々な呼び名で説明されており、統一はされておりません。

従って、供給能力とは、「モノ・サービスを供給出来る力」のことなのだなと各自しっくりくるイメージ・言葉で捉えて頂いて構いません。

 

・供給能力は数値化出来ない

国レベルの供給能力は、潜在GDPと呼ばれますが、実は潜在GDPは測ることは出来ません。

というのも、もし、貴方が“貴方がどこまで仕事を頑張れるか数値化してみて下さい”と言われたとして自分の限界が分かりますか?

個人の限界が分からないようにMAXで供給出来る力の数値化は本来出来ないものなのです。

一方で潜在GDPを数値化していることもあります。しかし、これは過去何年かのGDPを平均化して算出したもので平均概念の潜在GDPと呼ばれます。

平均概念の潜在GDPは潜在GDP、供給能力ですらなく、言ってみたら(海外への輸出分を含む)過去何年か分の平均の需要を現しています。

詳しくは潜在成長率の秘密 信じがたい「平均概念」の欺瞞と恐怖を知ってくれ [三橋TV第283回] 三橋貴明・高家望愛

 

・供給能力とインフレ率

国レベルの供給能力が測れないため、需要と供給の差であるインフレ率にて供給能力が推し測られます。

 

●需要が高まれば企業は儲かるとみて供給能力に投資し、供給体制を高めていくことも起こります。需要と供給の差であるインフレ率は変わらないけど、供給能力は高まっているということは起こります。

 

●同様にインフレ率は変わらないが供給能力は減るという事態も起こります。

 

●また、インフレ率というのは社会全体の平均値であり、インフレになったけど比例して賃金は上がらず取り残されるひとも発生はします。

このためインフレ率では格差拡大の状況、個々の産業状況は把握出来ません。

 

◎よって、インフレ率によって供給能力をある程度推しはかることは出来ますが、完璧な方法ではないというのはご理解下さい。

 

・インフレ率の目安

例えば、「インフレ率 〇%までは国債発行で積極財政出来る」、というような表現は以上のような背景から使われます。説明では特記しない限り、インフレ率は年率で説明します。

 

インフレ率のデフレ脱却目標は2%ですが、もっと高くなっても問題ないです。

*デフレ脱却目標のインフレ率について*

インフレとデフレの境目はインフレ率0%のところだと思われるのではないでしょうか?

実は本来、人類というものは停滞を好まず、進歩を好む生き物のようで、毎年、供給能力(生産性)を自然に少しずつ上げていってしまうようです。毎年の供給能力が上がる分、デフレ脱却目標のインフレ率は0%でなく2%のようにやや高めに設定した方が好ましいのです。

*******************

 

欧米で1970年代に起こった悪性インフレ、、英国病の例から数年間継続して10%を超えてくると高インフレによる悪影響出てくるようです。

参考)英国病(wiki)

 

ハイパーインフレとは30%(3年間で100%)もしくは12875%(1カ月で50%)以上のインフレ率を呼ぶそうです。

ハイパーインフレまで発生するには、元々供給能力で乏しい国であったり、戦争や国家崩壊レベルの大災害後の物資不足であったり、価格統制等の失政によって供給能力破壊が起こっていたりと様々な供給能力へのマイナス要因を含む必要があります。

参考)ハイパーインフレーション(wiki)

 

◎デフレ脱却目標のインフレ率は 2%だがもっと高くなってもよい
●数年間継続して10%を超えてくると高インフレによる悪影響出てくる
・ハイパーインフレまでなるには数々の失政、戦争、国家崩壊レベルの大災害が必要

 

次の話題 04使わない技術は廃れる

02.お金は何か?税金は財源じゃない。

おカネはmoney creation(信用創造)にて発生。返済能力(≒供給能力)を担保に無から作られる。

参考)money creation(信用創造) 日銀総裁の証拠発言動画

 

例(1) -① 銀行からの借り入れ よくある誤解  

●本当はmoney creation量に対し数%の少額を日銀当座預金として日銀に納めておけば、預けられている銀行預金が少なくてもmoney creationにておカネを作れる。

 

例(1) -② 企業の借り入れ→社員への支払い

*需要≦供給のデフレ(・低インフレ)期は需要が少ないため、企業の借り入れの審査時に供給能力は低く見積もられる。

 

例(2) 個人の借り入れ→不動産購入

       

 

例(3)-① 国の財政 よくある誤解                    

 

例(3)-② 国の財政 実際

 

つまり

もっと詳しくは 国債発行で、国民の預金が増える理由【三橋貴明のMMT「超」入門】

 

まとめ

おカネは債務と債権の記録として生み出されやり取りされる。

おカネは需要と供給を円滑に進める潤滑剤、道具に過ぎない。

おカネなんて本来は「ただの紙」です。

 

<税金の役割>

×財源ではない。

・おカネ(日本円)を一部回収することで日本円を持つことを半ば強制。

*社会全体で日本円の使用が行き渡ったらそこまで必要な役割ではなくなる。

〇景気変動やインフレ調節

◎余っているところ、本来大切なところへのピンポイントでの課税

 →累進課税強化(格差拡大でお金持ちがその他大勢を奴隷化するような事態を防ぐ)、タバコ税(ヒトの健康に悪影響)、環境税(自然環境を護り持続的な原料入手を可能とする)etc

 

じゃあ、財源って、大切なものって何なの?

それは、供給能力   

 

続きは 次の話題 財源議論~お金と供給能力について にて

01.お金はどこから借りているのか

 

  • (狭い意味での)国債 償還期間:2年~40年
  • 国庫短期証券 国債全体の8.7%
    日本政府が一時的に生じる資金不足を補うために発行する国債。償還期間:2か月程度~1年

 

国債全体の保有者の割合

日本銀行 44.2%     *日本政府が55%の株を保有する事実上の政府の子会社、日銀
国内金融機関 34.3%
海外 12.9%
その他国内  8.6%

 

・国債の約半分は政府の子会社の日銀が保有している。

・海外の保有者は全体の1割程度。

・国債は全て日本円(自国通貨)建て。

(おまけ)  財務省HPより

日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。

 

 

  • 誰かの赤字は誰かの黒字、誰かの負債は誰かの資産

国内政府部門の収支+海外部門の収支+国内民間部門の収支=0

(引用元) 日本の資金過不足 

 

統合政府(政府+日銀)は赤字

海外も赤字  (=経常収支黒字)

民間(企業+家計)は黒字

 

 

家計純資産≒政府純債務+企業純債務+海外純債務

引用元:https://twitter.com/shavetail/status/1053116811049263110?s=20

 

まとめ

・誰かの赤字は誰かの黒字、誰かの負債は誰かの資産

・政府が赤字でも、民間は政府+海外の赤字分含めての黒字

・政府が負債を抱えていても、家計は政府+海外+企業の負債分の資産を持つ

「国の借金」の利息で海外が得る収入より多くのおカネを海外が国内の民間に支払うこととなっており

全て相殺して考えると、

◎「国の借金」は海外からではなく、民間から借りている。

 

家計で例えるとお父さんに借金があるが、貸しているのはお母さんや子供。
しかも、その一家はよその家にもおカネを貸しているお金持ち一家。

 

次の話題 02税金は財源じゃない。お金は何か?