03-02.供給能力について

本章では、改めて供給能力について説明します。

 

・供給能力という表現について

供給能力とは、何らかのモノ・サービスを提供するのに必要な労働力、原料、技術、設備、インフラ(道路とか連絡手段とか)のことです。

一連の説明では全て供給能力で統一しています。しかし実際は、潜在GDP、実物生産キャパシティ、資源、生産力、外貨調達能力、供給リソース、商品生産能力等様々な呼び名で説明されており、統一はされておりません。

従って、供給能力とは、「モノ・サービスを供給出来る力」のことなのだなと各自しっくりくるイメージ・言葉で捉えて頂いて構いません。

 

・供給能力は数値化出来ない

国レベルの供給能力は、潜在GDPと呼ばれますが、実は潜在GDPは測ることは出来ません。

というのも、もし、貴方が“貴方がどこまで仕事を頑張れるか数値化してみて下さい”と言われたとして自分の限界が分かりますか?

個人の限界が分からないようにMAXで供給出来る力の数値化は本来出来ないものなのです。

一方で潜在GDPを数値化していることもあります。しかし、これは過去何年かのGDPを平均化して算出したもので平均概念の潜在GDPと呼ばれます。

平均概念の潜在GDPは潜在GDP、供給能力ですらなく、言ってみたら(海外への輸出分を含む)過去何年か分の平均の需要を現しています。

詳しくは潜在成長率の秘密 信じがたい「平均概念」の欺瞞と恐怖を知ってくれ [三橋TV第283回] 三橋貴明・高家望愛

 

・供給能力とインフレ率

国レベルの供給能力が測れないため、需要と供給の差であるインフレ率にて供給能力が推し測られます。

 

●需要が高まれば企業は儲かるとみて供給能力に投資し、供給体制を高めていくことも起こります。需要と供給の差であるインフレ率は変わらないけど、供給能力は高まっているということは起こります。

 

●同様にインフレ率は変わらないが供給能力は減るという事態も起こります。

 

●また、インフレ率というのは社会全体の平均値であり、インフレになったけど比例して賃金は上がらず取り残されるひとも発生はします。

このためインフレ率では格差拡大の状況、個々の産業状況は把握出来ません。

 

◎よって、インフレ率によって供給能力をある程度推しはかることは出来ますが、完璧な方法ではないというのはご理解下さい。

 

・インフレ率の目安

例えば、「インフレ率 〇%までは国債発行で積極財政出来る」、というような表現は以上のような背景から使われます。説明では特記しない限り、インフレ率は年率で説明します。

 

インフレ率のデフレ脱却目標は2%ですが、もっと高くなっても問題ないです。

*デフレ脱却目標のインフレ率について*

インフレとデフレの境目はインフレ率0%のところだと思われるのではないでしょうか?

実は本来、人類というものは停滞を好まず、進歩を好む生き物のようで、毎年、供給能力(生産性)を自然に少しずつ上げていってしまうようです。毎年の供給能力が上がる分、デフレ脱却目標のインフレ率は0%でなく2%のようにやや高めに設定した方が好ましいのです。

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欧米で1970年代に起こった悪性インフレ、、英国病の例から数年間継続して10%を超えてくると高インフレによる悪影響出てくるようです。

参考)英国病(wiki)

 

ハイパーインフレとは30%(3年間で100%)もしくは12875%(1カ月で50%)以上のインフレ率を呼ぶそうです。

ハイパーインフレまで発生するには、元々供給能力で乏しい国であったり、戦争や国家崩壊レベルの大災害後の物資不足であったり、価格統制等の失政によって供給能力破壊が起こっていたりと様々な供給能力へのマイナス要因を含む必要があります。

参考)ハイパーインフレーション(wiki)

 

◎デフレ脱却目標のインフレ率は 2%だがもっと高くなってもよい
●数年間継続して10%を超えてくると高インフレによる悪影響出てくる
・ハイパーインフレまでなるには数々の失政、戦争、国家崩壊レベルの大災害が必要

 

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